更新日:2022年3月31日
- 所属:こころの医療センター
- 入職:平成13年4月
(令和4年3月31日現在)
患者さんへ「楽しみ」を
入院中のお食事は、患者さんの栄養管理につながります。
特に、精神科病院に入院する患者さんは一般病院の患者さんに比べ、
入院期間が長い傾向にあるので、その重要性も高まります。
それだけに同じ献立が繰り返されないよう、献立のサイクルの周期を
一般病院より長くとり、安全においしく食べてもらえるように 計画しています。
入院し、行動が制約される患者さんにとって、
食事は楽しみの1つだと思います。カロリー、塩分調整を考えながら、
少しでも喜んでもらえるように工夫を凝らしています。
活力は患者さんからの一言
当院では月に1回、特別メニューを提供しており、
ある月はネットニュースでも話題となった「シュクメルリ」を 提供しました。
初めて食べるという患者さんがほとんでしたが、大変好評でした。
また、患者さんから『おいしかった』と声を掛けられると、素直にうれしいですね。
入院当初は鼻から入れたチューブを通して栄養を管理していた患者さんが次第に回復して、
口から食べられるようになった姿を見ると、『この仕事に就いて良かった』と思います。
患者さんへのきめ細やかな配慮
食事は1回およそ200食を作り、それを朝昼夕の1日3回おこないます。
食欲旺盛な患者さんもいれば、
食べ物を飲み込む力が弱い患者さんもいます。
そのため、献立は画一的に組み立てられません。
病院の栄養管理は「集団」から「個別」に変わってきています。
特に低栄養状態で身体リスクの高い患者さんには、
オーダーメイドで、きめ細やかに対応しています。
また、お食事中は患者さんのところに行きながら、おいしく食べているか、
食べやすい食形態か等、注意深く患者さんの食事の様子を観察しています。
恵まれた職場環境
和気あいあいとした職場で、同僚の管理栄養士や調理師とも気兼ねなく
意見を出し合える関係性です。いろいろな意見を出し合い、
新しいアイデアが生まれる、というような、建設的な議論ができる環境に魅力を感じています。
栄養士の道へ
中学、高校と部活動のバスケットボールに明け暮れていました。
ちょうどその頃から、何を食べたら筋肉がつくかなど、
栄養と体の付き方の関係に興味を持ち、栄養士の道を目指すことにしました。
全ての経験が栄養士としての土台
私は当院のほかに、特別支援学校、一般病院、保健所、県庁での勤務も経験してきました。
また、2年間休職し、青年海外協力隊の一員として、南米ペルーで栄養失調に陥った現地の子どもたちや妊産婦の方々に、
現地スタッフと栄養教育を行ったこともあります。
これらの様々な観点から栄養というものを考えてきた経験が、管理栄養士としての幅を広げてくれたと自負しています。
これからの管理栄養士とは
私は、県立米沢栄養大学でゲストスピーカーとして、
未来の管理栄養士の育成にも関わらせてもらっています。
時代の要請に応じ、取得すべき資格も増えましたし、
「管理栄養士の資格を取って就職先が決まったら安泰」という時代は
過ぎ去ったと考えています。これからは意欲と自覚が必要です。
県立病院はスキルアップできる最適の場です。
管理栄養士を志す方には、ぜひ県立病院を目指してほしいです。